Rolf Trail
ロルフメソッドとは
ロルフメソッドは、米国の生化学者、アイダ・ポーリン・ロルフ博士(1896〜1979)によって開発されたボディワークです。
ロルフメソッドが目指しているのは、重力に抗うことなく、重力と調和してより楽に生きられる「在り方」。
全身に張り巡らされている筋膜に働きかけることで、過度な力みや緊張を手放し、本来の「在り方」を取り戻すメソッド。
呼吸の仕方、立ち方、歩き方、ものの見方、考え方、喋り方、さまざまな「在り方」に変化が現れます。
4ヶ月ほどの期間をかけて全10回、毎回違った内容のセッション(施術)を行い、段階的に全身を整えます。
【筋膜って?】
筋膜は、全身に張り巡らされている膜状の結合組織です。
主にコラーゲンでできており、その85%が水分。
骨・筋肉・内臓・血管・神経など、身体を構成する全ての器官を包み込み、それぞれの位置に支えています。
筋膜は、同じ姿勢での長時間作業(パソコンやデスクワークなど)、特定の部分だけに過度な負担をかけ続けること、過去に負ったケガ、心理的なストレスなどが原因となって、ねじれ、縮み、水分が抜け、さらにはその状態で固まってしまいます。
このように歪んだ形で固まることで、身体のバランスの崩れを補おうとする性質があるのです。
【筋膜が歪むとどうなるの?】
この筋膜の歪みをそのままにしておくと、身体に定着してそれがその人にとっての基本となってしまいます。
筋膜は身体の中で繋がっているので、一見関係がないように見える他の部分にまで影響を及ぼします。
ストッキングやニットのようなイメージです。
1カ所を強く引っ張ると全く関係のない部分がねじれたり、窮屈になったりします。
外からは見えませんが、各器官が引っ張られることにより自由に動けなくなり、姿勢や動きが制限されてしまうのです。
理想的でない姿勢や動きを繰り返すことにより、全く関係のないところに痛みや違和感が現れることもあるでしょう。
【ロルフメソッド特有の触れ方で筋膜の調整を行います】
ロルフテーブル(施術用のベッドのようなもの)で横になっていただき、施術者は手・腕・肘などを用いて、身体中に張り巡らされている筋膜を伸ばしたり、広げたり、本来あるべき位置に戻すように働きかけます。
セッションの回数や期間にも深い意味があり、3〜4ヶ月の期間をかけて全10回、毎回違った内容のセッションを行い、段階的に全身を調整します。
ねじれ・縮みを緩めるだけでなく、セッションの後半(8・9・10)では、全身が協調して機能するようにロルフメソッド特有の触れ方で働きかけます。
【ロルフメソッドは治療ではありません】
ロルフメソッドでは、痛みやコリなど問題のある部分にだけ集中的に働きかけることはありません。
一貫して「本来の在り方を取り戻す」という目的に向かって全身に働きかけます。
姿勢や動き・身体の使い方などが変化した結果として不調が改善されることが多くありますが、治療を目的とはしていないのです。
【重力と調和した「在り方」】
ロルフメソッドが目指しているのは、重力に抗うことなく、重力と調和した「在り方」です。
ロルフメソッドの10セッションを経験することで現れる変化は個人的なものであり人それぞれですが、以下ような変化を実感される方が多くいらしゃいます。
● 呼吸が深くなった
● 姿勢や動きが変わった
● 痛みや不快感が緩和された
● 心も身体も疲れにくくなった
● 自分を受け入れられるようになった
● 周りに振り回されなくなった
● よく笑うようになった
● 物事に前向きになった
● 細かいことにこだわらなくなった
身体の在り方が整うことによって、精神状態や物事の捉え方・考え方・生き方など、内面的な在り方にも変化が訪れるようです。
身体的な変化についてはセッション直後や当日に実感される場合がほとんどですが、内面的な変化についてはセッションから数日が過ぎてから、場合によっては数週間が過ぎてから実感される方が多くいらっしゃいます。
ロルフメソッドをお受けいただいている3〜4ヶ月の期間中は、ご自身の身体の状態・心の状態を観察し、それらを楽しみながら過ごしてみてください。